3月2日 最近の日記 さらばスズキジェンマ50編
前回までのあらすじ...
2年にわたる過酷な浪人生活を終え、大分県の某大学に進学が決まったryukin。
期待に胸を膨らませ、新生活の妄想をする彼を待ち受けているのは数々の出会いと別れ。
今日は、その中からひとつのエピソードをかいつまんで 皆さんにお伝えします...。
時は2月下旬。友人秋田とKMRと一緒にカフェで某大学の合格発表を見た僕は、カフェの3分の1に響き渡るくらいの控えめな歓声をあげたあと、家に帰って今後の計画を練り始めた。
当初は車を持っていく予定だったものの、学校に駐車場がないことを理由に母に拒否される。これに対して僕は「バイクの所有権」を主張。受理される。最初に探したのはヤマハのセローの中古。近隣に1台見つかったものの、走行距離が2万キロ。250㏄バイクでこれは過走行気味。スルー。どうしてもオフ車が欲しかった僕が次に探したのがカワサキのKLX230。これまた一台見つかった。走行距離も少なめで、値段もそこそこと来ている。これに決めた。3月4日に祖母から入学祝が入るので、それを手に入れ次第バイク屋に手付金を払って確保しよう。
とりあえずバイクは決まった。そこで問題になっているのが、現在僕が所有している原付バイク スズキジェンマの存在だ。
妹は17歳なので2輪免許を取ることができる。乗りたいならあげるよ、と言ってみたのだが、毛頭興味がないらしく 無視された。
となると手放すしかない。自賠責も3月で切れるし。
僕は何回かジェンマをメンテしてもらったスズキのショップを訪れた。
道中、「これがこいつとのラストツーリングか」とちょっとおセンチな気分になったが、上り坂に差し掛かったあたりで、馬力不足に嫌気がさしてきて、さっさと売ってヘルメット代にしてやろうという気になった。力はなかったが、レトロな見た目のいいやつだった。君のことは忘れないよ。
バイク屋到着。事前にMessengerでやり取りをしていたので、手続きは至極スムーズだった。
「で いくらになるんすか?」
「廃車」
ガーン。82年式の原付は古すぎて廃車になるらしい。
現金が手に入らなかったことより、2年連れ添った相棒がスクラップになってしまうことへのショックのほうが大きかった。そんなことになるくらいなら持ち帰ろうかとも思ったが、あいにく賃貸に住んでいるため 置き場所がない。このまま風雨にさらされて力尽きるくらいなら、いっそのことここで、信頼できる店で、バイク生を終わらせてやろう。僕のエゴかもしれないが、その方がいいように思えた。
僕はナンバーの交付書類を渡して、免許証のコピーをとらせて、ヘルメット片手に店を出た。数歩歩いたあと、「このままでは後悔が残るかもしれない」とおもい、きびすを返した。
戸を開ける。
「すいません!」
寡黙なバイク屋のおやじは驚いた顔をしていた。
「こいつと一緒に写真を撮ってくれませんか?」
おやじは黙って外に出てきた。3枚くらいアングルを変えて写真を撮ってくれたので、内心結構楽しんでいたのではないかと思う。
そのあとおやじとバイクの話をして帰宅した。帰り道で滑って転んで、抱えていたヘルメットを思いっきり地面に打ちつけてしまった。多分このヘルメットの防御力は ドラクエのきのぼうしくらいしかないだろう。
他にも最近起きたことを書こうかと思ったが、大した出来事がなかった。久慈でモスバーガーのスタジャンを買ったくらいである。
新生活が楽しみである。ではまた。